多くの生徒さんは英語辞典を持っていると思います。最近は電子辞書を持つ生徒が多いでしょうから英和辞典の他に和英・英英辞典も入っているのではないでしょうか?
英和辞典の用途は言うまでもないですよね。英文を読んでいて意味のわからない語(句)に出くわした時、あるいは、単語の語法がわからない時に引きますよね(市販の単語帳で調べるのはダメですよ)。そして、和英は主に英作文の際に引くことが多いでしょう。
でも、英英辞典を使っている生徒はあまり多くないのではないでしょうか。今回は英英辞典についてお話していきます。
受験まで時間に余裕のある高1生・高2生には、普段通り英和辞典を使いながら、英英辞典も使ってもらいたいと思っています(余裕のない高3生は大学が決まってから是非使ってください)。その名の通り、英語の意味等を英語で説明する辞書です。「そんなの時間の無駄だ!日本語で説明して!」と思うかもしれませんが、近い将来、受験にも大いに役立つのです。
日本語もそうであるように、英語においてもそれぞれの単語にはニュアンスがあります。それを知ることができるのが英英辞典なんです。例えば、recognizeは「気付く、わかる」という意味がありますが、ある英英辞典には次のように定義されています。
“to know who someone is or what something is, because you have seen, heard, experienced, or learned about them in the past”
because以下の、「過去に見たり、聞いたり、経験したり、学習したから」というところがポイントです。I recognized him.は、以前見て頭の中で覚えている彼の容姿と、目の前の彼の容姿が一致して「あっ、あの人だ!」と「気付いた」という感じです。
つまり、少女が泣いているのに「気付いた」という時にrecognizeは使いません。そういった時はrealizeやnoticeを使います。
このrecognizeのニュアンスに関しては、東大や明治大でも出題されています。
英英辞典を多用した結果、「英語でのニュアンスはわかるけれど日本語では説明できない。」なんて感じになったらちょっとかっこいいですけれど、日本語でも説明できるようにしてくださいね。
とても便利な英英辞典ですが、どんなツールを使ってもある文化に根付いた事柄を別の文化圏の人に伝えるのは難しいこともあり、もどかしさを感じることもあります。
日本人が旅行で「温泉に行く」という時の「温泉」は“spa”でも“hot spring”でもやはりなにか物足りないですよね。