赤本の意義

投稿:2024年9月24日塾長のブログ

そろそろ赤本(過去問)を始める生徒が増えてきました。

いつから始めるべきかと悩むところでしょうが、私は、一通りの文法事項と長文の読み方を習得した頃に始めるのがよいと考えています。

赤本(過去問)演習は「練習試合」であるので、まだ試合を行うレベルに達していないのなら、たとえ周囲が始めていても焦って始める必要はありません。まずは「練習」を行うことで「練習試合」をすることができるレベルに英語力を上げていきましょう。

ところで、なぜ赤本(過去問)演習は必要なのでしょうか?赤本(過去問)演習をする主な目的を挙げてみます。

①時間内に解く力を身につける

事前に時間配分を決めても、実際に解いてみないと、その通りに進められるかどうかはわからないですよね?

「実際に解く」⇒「検証」を繰り返すことで、決めた時間配分で無意識に解けるようになっていきます。

②今後の学習で補強すべきことを見つける

志望校の問題を解く上での自分の弱点(語彙力、文法力、記述力等)を見つけることで、それを重点的に補強することができます。

③出題形式や設問の特徴を知る

例えば、長文問題において、設問の順番と本文中の該当箇所の順番が同じである大学・学部がほとんどなのですが(問1より問2の方が本文での該当箇所も後ろになっている)、そうとは限らない大学・学部もあります。これを事前に知っておくことで解く手順や時間配分を決めることができるので有利になります。

また、特に難関大学の入試問題には普通の受験生では得点できないだろう問題が存在しています。俗にいう「捨て問」です。それを見極める練習は、時間短縮のためにも必要です。複数年度分繰り返し解いているとそれが徐々にわかってきます。その結果、解くべき問題に時間と集中力を注ぐことができるようになるのです。

さらに、慶應(法)や早稲田(理工)のように問題文が英語で書かれていて、かつ、設問の内容がややこしいものがあります。事前に同じ形式の問題を解いていれば、入試本番で問題文をひと目見ただけでその内容を理解できるはずです。

④慣れる

やはり志望校の入試問題を解き慣れていることは有利です。

通勤や通学のために何年も歩き慣れた道だと、どこで渡った方がいいとか、信号間の青になるタイミング、あるいはちょっとした近道を知っていたりしますよね?歩き慣れない道を歩く時にはない、そういった「技」を身につけているのです。

解き慣れることで「技」を身につければ、時間短縮も図ることができ、自信を持って解けるようになります。

赤本(過去問)に取り組む際は、上の①~④の目的を意識しましょう。

いかがだったでしょうか?最初にお伝えしたように、赤本(過去問)を行うための英語力が不十分な生徒は、テキストなどを使って英語力を上げることが先決です。なるべく早く赤本(過去問)演習できるよう、英語力を上げていきましょう。

そして赤本(過去問)に関して一つ付け足しておきます。

たとえ入念に赤本(過去問)研究を行っていても、急に問題形式等がそれまでとは違う(傾向が変わる)こともあり得るということも頭に入れておいてください。

自分の受験した入試の問題がそうだった時でも焦らず、「みんな同じ条件だから大丈夫」と思って全力で解きましょう。