丸暗記の恐ろしさ

投稿:2024年5月6日塾長のブログ

今日で大型連休も終わり、そろそろ中間考査を意識する時期になってきましたね。順調に学習は進んでいますか?

今回は英語学習におけるむやみな丸暗記が危険であるというお話です。

私は日ごろ生徒達に対して、暗記は大切であると伝えています。なぜならここ最近、暗記を軽視する生徒が多いからです。動画や参考書の中にも、まるで暗記が不必要であるといった言い方をするものが増えたのも一つの要因でしょう。しかし、賢い生徒はそんな人たちを横目に日々暗記に励んでいます。

一方で、何でもかんでも丸暗記するというのは危険です。場合によって丸暗記は実戦で使えないものになってしまうからです。

以前、ある生徒が書いた英文のお話です。

「私は演奏会を楽しみにしています。」を英訳する箇所がありました。

答えは、I’m looking forward to the concert.なのですが、ある生徒の答案には、

I’m looking forward to concerting.

と書いてありました。

「???」と一瞬思ってしまいますが、「look forward to ~ing」と何も考えずに暗記をしていると実際にこういうことが起きてしまうのです。

この熟語で使われるtoは不定詞を作るものではなく前置詞であるため、後ろには(代)名詞か動名詞を置くわけです。このtoが不定詞を作るものだと思って後ろに動詞の原形を置いてしまうことのないように「look forward to~ing」と教えるわけですが、これを何も考えないで呪文のように唱えていると先程のような間違いが起こるのです。

正しくは、「look forward toのtoは前置詞だから後ろは(代)名詞か動名詞であり、動詞の原形を置いてはいけません」なのです。

また、have an influence on~「~に影響を及ぼす」もhave(動詞)+an(冠詞)+influence(名詞)+on(前置詞)だと理解をしていれば、名詞であるinfluenceの前に形容詞を置いて、have【an important/a great/a bad】 influence on ~「~に【重要な/大きな/悪い】影響を及ぼす」と応用できます。

同様に、make use of~「~を利用する」もmake(動詞)+use(名詞)+of(前置詞)と理解をしていれば、名詞であるuseの前に形容詞を置いて、make frequent use of~「~を頻繁に利用する」とスムーズにできるはずです。

ラクを求め過ぎて暗記を怠ってもいけませんし、何も考えずに丸暗記もいけません。

どこまで理解して暗記すべきかを明確にすることが英語力向上においては大切なのです。