先日、高校1年生の授業で次の日本語を英語にするという問題を扱いました。
「私は彼に二時間以上待たされました。」
正しく英文を書けた生徒はほんの一部で、案の定、次のような誤答が続出するのです。
I was waited for over two hours by him. (???)
この文を能動態にすると、
He waited me for over two hours. (???)
になってしまいます。これが誤りということは多くの生徒がわかるはずです。意味も正しくないどころか、
wait O
という表現はありません。
ですから、これを受動態にしたI was waitedは誤りです。(そもそもwaitは受動態にしない動詞なのです)
今回の日本語の内容は、「私が彼を待った」のです。
日本語としてほぼ同じことと述べているにもかかわらず、「私は待った」を「私は待たされた」にすると受動態にしてしまうんですよね。これらの動作主は共に「私」ですので能動態で、
I waited for him for over two hours.
あるいは、
I kept waiting for him for over two hours.
でよいのです。
受動態で表現するなら、
I was kept waiting ~、あるいはI was forced to wait~となります。(それぞれS kept me waiting~、S forced me to wait~を受動態にしたものです。)
日本語の表現を変えた途端に正しい英文が書けなくなってしまうのは受験生あるあるです。
和文英訳の鉄則、それは「内容を伝えること」です!
和文英訳問題では日本語にとらわれ過ぎず、伝えたい内容を意識して表現しましょう。